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書籍『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』

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今回は北海道やニセコに関係した本の話をします。

北海道の気候、そして道産子の親切でさっぱりした性格は諸外国の人からも魅力的に感じられています。

現に、北海道は東アジアや東南アジアや欧州やオーストラリアからの観光客に人気があります。

なかでも、近年の富裕層の中国人やオージーの場合、スキーリゾートであるニセコを目当てにしている人が激増しています。

ニセココンドミニアムやマンションや別荘を購入する人も増えています。

そこで、面白い本があります。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』という本です。


参考書籍:なぜニセコだけが世界リゾートになったのか

 

 

本書の要約

この本では、北海道の倶知安町(くっちゃんちょう)とニセコ町の間にある小規模のリゾートにすぎなかったニセコが、なぜ6年連続で地価上昇率全国1位の人気リゾートになったのかがつまびらかに説明されています。

とりあえず、本書の内容を分かりやすく大別してアウトプットします。

すると、


①地方創生や観光事業を支援してもなかなかうまくいかない。それなのに北海道の辺境の地といっていいような地味な観光地だったニセコはなぜ世界的なスキーリゾートになりえたのか。

②そのためには、まずキラーコンテンツになった現地の極端にサラサラとしたパウダースノーが挙げられる。そしてサブコンテンツとして北海道の海産物などの美味しい食事や温泉も効果的だった。

③繁栄させるための戦略として、宿泊施設や飲食店なども富裕層を重視し、選択と集中を行ったことも効果的だった。


という風になるでしょうか。

なお、細やかなところは順を追って説明します。

 

なぜ地方創生はうまくいかないのか

著者の言うように地方創生や観光事業を支援しても、人員や予算を多方面に分散しすぎることはよくあります。

事実、そうやって多種類の具材をギッシリ詰め込んだ、幕の内弁当的なプランになることで失敗したと考えられる事例は枚挙にいとまがありません。

これには、地元の各業者に満遍なく条件のいい仕事を割り振ったほうが、役所側が地元では評価されやすいという事情も関係しているのではないでしょうか。

しかしながら、そうなると全体からすれば一部の人に短期間条件のいい仕事や報酬を与える程度にしかならないことが懸念されます。

さらに、もし失敗しても経済効果や来場者数は、後で都合のいい数字のみ強調したデータを発表すればいくらでも成功をアピールすることはできると思います。

※幕の内弁当的なプランのことは自分も以前から思っていましたが、幕の内弁当の例えは著者によるものです。そもそもその説明の前段落において『著者の言うように』という前提を入れているため、後段落はその前提を受けた内容になりますが、例えの妥当性をさらに高めるため補足しておきます。

 

幕の内弁当よりものり弁当

それにしても、地方創生や観光事業に関わっている人たちの大半は基本的に真面目に取り組んでいると思います。

なので、否定的なことを言うのはここで止めにし、地方創生がうまくいかないという問題を解決や緩和させるための端緒を開きます。

これは本書で紹介されていることですが、外国人観光客の場合、到着してからすぐ目の前にビーチが広がっているなど、基本的に分かりやすいメリットを重視する傾向があります。

なお、日本人の場合も都会の人や若年層はこの傾向があるように思います。

そうした人たちを対象にしている場合、真のニーズとなるのは複雑な幕の内弁当的なプランではありません。

平たくいうと、シンプルなのり弁当的なプランです。

たとえば、本書で紹介されているようにニセコの場合、キラーコンテンツの極端にサラサラとしたパウダースノーを宣伝することが合理的ということになります。

品格をすこし下げた話を加えて説明すると、こういう風になります。

ちなみに、筆者は幕の内弁当よりのり弁のほうが好きです(笑)

 

本書のデザイン

閑話休題

本書ではどこまでもロジカルで明解な分析や説明が散見されます。

そのため、興味のある場合、さらに細やかなところはぜひ本書を購入して参考にしてほしいです。

本書は講談社+α新書ですが、表紙から背表紙に掛けての装丁がオリジナルデザインになっていることからも、出版社の営業の力の入れ方も分かります。

なお、本書はニセコや北海道に興味がある人。北海道が好きな人。道産子。住みやすさや生きやすさについて考えるときのヒントがほしい人。地方創生関係の職業に就いている人などを読者に想定しています。

付記すると、本書の外カバーの雄大な山を背にした、エレガントかつホットな町並みに見入ってしまいました。