今回は、以前と近年の自殺系コンテンツの話をします。
なお、本エントリーで言及する『自殺系コンテンツ』とは、おもに自殺系サイトやSNSの自殺系コミュニティといった生きにくさを解決や緩和させるための意見交換や互助交流用のところを意味します。
以前と近年の自殺系コンテンツ
こちらでは、以前と近年の自殺系コンテンツの異同の抽出作業を行い、所見を添えます。
すると次のようになります。
- 自殺系サイトは、2010年頃まである程度賑わっていてブルーオーシャンだった
- 近年自殺系サイトのユーザー層の8割以上は、TwitterやSNSの自殺系コミュニティに流れた
- 放置傾向のある自殺系の掲示板は、いまも賑わっているところもあるがその一部で自殺相手の募集が行われている場合がある
なお、SNSのハードな自殺系コミュニティの場合、招待制のところを含めた正確な実数を把握することは、短期間に場所を移動したり、閉鎖したりしている場合もあることから困難だということを付記しておきます。
自殺系コンテンツを作る前に
先ほどの抽出情報は、自殺系コンテンツを作ることに関心がある場合などは参考にしてみるのもいいでしょう。
それにしても、いま新たに自殺系コンテンツを作ることは集客のハードルが高くなっています。さらにいうとトラブルも起きやすいので経験やノウハウが重要になってきます。
そうしたことから考えると、新たに自殺系コンテンツを作ることは参入障壁が高くなっていることが分ります。
さりとて、試験的に作って様子を見る程度ならさほどコストはかかりません。
キュリオシティ・ドリヴンの可能性
もし、学術的な基礎教育を受けていてこの分野に関心のある場合、たとえばレイブやカルチュラルスタディーズの方向にすこし視点を移し、自殺問題などと絡めて模索すると意外と視野が広くなっておもしろいかもしれません。
すなわち、これは目標とは直接関係なさそうな脇道に好奇心を持っていき、視野を広げたり論理の呪縛から解放されたりすることで、画期的な発見につなげようとするキュリオシティ・ドリヴン型の発想です。
ところで、キュリオシティ・ドリヴンという概念は、目標に向かって直線的に最短距離を突き進むゴール・オリエンテッド型の発想とは対の概念ですが、近年その効果が着目されGoogleなどの企業に採用されています。
キュリオシティ・ドリヴン型の発想で、前述した方向に目を向けてこの分野を模索する場合、たとえば鶴見済さんと清野栄一さんの共著『レイブ力』はいいテキストになるのではないでしょうか。
参考書籍:レイヴ力